PROJECT
STORY

09

沖縄・首里城の観光支援

ICTとデジタルテクノロジーで
沖縄・首里城の復興を支援する

OUTLINE

2019年10月に沖縄県の世界遺産・首里城で火災が発生し、正殿をはじめとした貴重な建築物や美術工芸品が焼失してしまいました。沖縄を代表する観光地であり、修学旅行を中心とした歴史教育の拠点でもあるこの地を再建するため、現在復興作業が進められています。
そのような状況のなかでドコモは、ドコモならではの強みである5G通信を活用した「AR(拡張現実)を用いた遠隔コミュニケーションシステム」を提供することで、首里城における歴史教育や観光誘客を支援しています。

PROJECT MEMBER

私たちが紹介します

  • NTTドコモ九州支社
    法人営業部 沖縄振興推進担当

    KIM JEONG MOON

    金 正文

  • NTTドコモ 法人ビジネス本部
    ソリューションサービス部 フロントSE第4担当

    TOYODA TAKAFUMI

    豊田 鷹史

  • NTTドコモ 法人ビジネス本部
    ソリューションサービス部 フロントSE第4担当

    SUGAWARA KAZUMA

    菅原 一真

01 ドコモの提供価値と意義​

沖縄の失われた「学びの機会」を新たな体験として生まれ変わらせる。

ドコモは保有するさまざまなICT(情報通信技術)を活用して、地方や地域が抱えている課題の解決を支援しています。沖縄も対象エリアのひとつで、画像認識AIを使って希少種を判別する密猟密輸対策の実証実験のほか、「自然・文化保護」「観光・インバウンド」「暮らし・働き方」「モビリティ」「教育改革」「産業振興」の6分野で重点的に取り組んでいます。次世代通信の5Gも2020年3月のサービス開始に先立って、2019年9月からプレサービスが提供されました。そんな矢先に発生したのが、首里城の火災です。
復興まで数年かかることが予想されるため、年間約180万人の観光客や修学旅行生に対して提供していた琉球の歴史や遺構に関する学びの機会をどのように創出するかが大きな課題となりました。そこでドコモが提供しているのが「ARを用いた遠隔コミュニケーションシステム」で、5Gの通信エリアである首里城公園内と遠隔地をタブレットでつなぎ、焼失してしまった首里城正殿のCG動画や絵画のデジタルデータを閲覧しながら、講師による歴史解説を聴くことができるという技術です。タブレット越しにARマーカーをかざすと焼失前の首里城正殿が画面に現れ、タブレット越しにその場で講師に質問できるため、リアリティのある解説が可能になります。

02 ドコモのチャレンジ​

ドコモの強みを組み合わせ、沖縄という地域に合わせた最適なサービス仕様を。

修学旅行や地元の小中学校といった教育現場にてタブレットを使った遠隔地とのリアルタイム講義を行うためには、一度に大人数で接続できる高速通信の環境が欠かせません。そこでドコモの高速かつ大容量なデータの送受信が可能な5G通信を用いる事で、動画やCGデータの読み込みを高速に行えます。また、多数の端末を一度に接続する通信や、遅延の少ない対話も実現が可能です。
さらに、dOIC(ドコモオープンイノベーションクラウド)というドコモのネットワーク網と接続したクラウド基盤を用いたサービスを使用している為、通常のインターネット網とは異なり、閉じた通信網による高いセキュリティと低遅延通信を実現します。そのため、教育現場でのセキュアかつリアルタイムな通信に適しています。こうしたドコモの強みを生かした通信技術とAR技術、タブレット端末を組み合わせたシステムは、離島が多く均一な教育機会を提供することが難しい沖縄の地域特性に合った仕様だと評価されています。

03 得られたこと・成果​

首里城復興のために考え抜き、テクノロジーとノウハウで答えを出す。

「ARを用いた遠隔コミュニケーションシステム」は、同じく沖縄県の今帰仁城跡で行われた歴史体験に関する実証実験における経験が活きましたが、このときは5G通信を用いてVR(仮想現実)ゴーグルやタブレット端末に高精細なVR・ARコンテンツを配信するというものでした。当時は同時接続する端末の台数が数台だったのに対し、首里城での利用は小中学校のクラスを想定しているため、接続端末が数十台規模になります。
これを実現するため、アプリケーションのチューニングやP2Pからマルチキャスト通信への変更によるボトルネックの解消など、さまざまな改善が必要となりました。課題の解消に向け、考え抜けば答えが必ずあることを実感する毎日でした。
また首里城は沖縄を代表する観光スポットですが、一帯が公園であり県民の憩いの場にもなっているため、首里城が火災で焼失するというショッキングなニュースに心を痛めている地元の方が大勢いらっしゃいました。すでに焼失してこの世から無くなってしまったものを何とか残されたアーカイブデータからAR技術を用いて再現したことで、関係者の方からたくさんの感謝の言葉をいただくことができ貴重な経験となりました。

04 これからの展望

教育や観光の未来に、新たな体験を創造する。ドコモだからこそ実現できる仕事。

首里城の歴史教育に活用される「ARを用いた遠隔コミュニケーションシステム」は、さまざまな教育現場での応用が可能です。高速大容量・低遅延なデータ送受信が可能となる5GとdOICを活用し、ARやMR(複合現実)を応用したコンテンツを用意すれば、これまでは現地に行き話を聞くだけであった修学旅行や授業が、触る・感じるといった新たな刺激を持った体験に生まれ変わる可能性があります。
沖縄はもちろん、さまざまな世界遺産エリアと日常をつなげることで、どこにいても同じ体験を共有することが可能になります。特にコロナ禍においては、新たな遠隔教育や観光の在り方が模索されています。地方や地域が抱える課題を汲み取る力や、それらを解決するソリューション・ICT技術を持ったドコモだからこそ、求められている仕事です。