PROJECT
STORY

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災害対策への取り組み

どんなときも「つながる」こだわり
災害時でも「あんしん」を届けたい

OUTLINE

ドコモは、設立当初より災害に強い通信サービスの提供のため、独自の災害対策を行っています。その中心を担っているのが、災害対策室。本社及び各支社に災害対策室を設置し、日頃から有事に備えた災害対策を考えています。特に2011年の東日本大震災をきっかけに、その取り組みを強化。さらには近年の激甚化や広域化する災害を踏まえ、通信設備の強化にとどまらない対策にも及んでいます。「つながるあんしん」を合言葉にした、一歩先の災害対策をめざします。

PROJECT MEMBER

私たちが紹介します

  • サービス運営部
    災害対策室 災害対策

    SAKAMOTO DAISUKE

    坂本 大輔

  • サービス運営部
    災害対策室 災害対策

    SHIBATA JUN

    柴田 純

01 ドコモの提供価値と意義​

東日本大震災をきっかけに
さらに強固な設備とグループ体制を

ドコモの災害対策への取り組みにとって、大きな契機となったのは、2011年の東日本大震災です。実に東北エリアの基地局の45%がサービスを中断するなど、これまでの予想をはるかに超えるものでした。その原因を追究すると、停電や伝送路の切断が90%以上を占めることが分かりました。
その結論を踏まえて、大きく3つの対策を施しました。
1つ目が災害時のみ作動する「大ゾーン基地局」の設置です。「大ゾーン基地局」により、広域に基地局がサービスを中断しても、一定範囲の人口密集地の通信をカバーすることができます。大都市部や県庁所在地など全国106箇所に設置しており、全国的に設置しているのは通信会社のなかでもドコモだけです。
2つ目は自治体の役場などの重要な施設をカバーする基地局の無停電化です。バッテリーの24時間化を進め、停電への対策を実施しました。
3つ目は伝送路の強化。機動性に優れた衛星・マイクロ回線設備を拡充、光回線を複数準備し、1回線が切断しても迂回し通信を途絶えさせない対策をしました。
さらに、災害が激甚化や広域化している状況を踏まえ、通常の基地局の基盤を強化した「中ゾーン基地局」や「船上基地局」などの設備の充実を図っています。
また、災害の内容や規模に応じた体制づくりもドコモが注力しているところです。災害時にはドコモグループ一丸となって迅速な対応ができるよう災害時の組織図を作り、連絡系統を明確にしています。設備復旧に携わる班、お客さま支援を担う班、広報活動を担う班など、全社員がいずれかの班を担当するようになっており、災害対策室が全組織を総括する役割を担います。平時には全国各支社や支店で防災訓練を実施し、災害に備えています。防災訓練は社内だけでなく、自治体や関係機関とも実施し、災害時にスムーズな連携ができるよう日々取り組んでいます。
ドコモでは、災害対応力の強化を図るため、災害や訓練のたびに振り返りを行い、「備えて行動して省みる」というPDCAサイクルを回すことを習慣にしています。通信設備、体制づくりともに強固な備えを築いています。

02 ドコモのチャレンジ​

「つながる」を超えて「あんしん」へ災害時に求められるサービスを拡充

携帯電話は災害時の安否確認などの連絡手段として、重要な役割を担っています。通信設備の強化に加え、ドコモでは避難所やドコモショップでの災害時のサービスにも目を向けています。
災害時には、避難所やドコモショップにおいて無料充電サービスや無料Wi-Fiサービスを展開しています。避難所での支援のため、必要な機材等は社員が運搬・設置し、お客さまのためにできることは何かを考えて行動します。無料充電サービスで使用する災害対応充電器「マルチチャージャ」は、小型・軽量で持ち運べ、新旧の端末や他社キャリアのお客さまにもご利用いただけるものとして、全国に4000セット以上配備しています。
今後もドコモは、「あんしん」を届けられるサービスを拡充していきます。たとえば、災害時に離れて暮らす家族・友人の安否を確認する新サービスの検討などです。お客さまが災害時に何を欲しいかという要望をサービスとして実現するのも私たちの務めです。「つながる」を超えて、「あんしん」にシフトした災害サービスにも尽力しています。

03 得られたこと・成果​

これまでの地道な経験から得られた「ドコモは災害にも強い」という言葉

近年、気象変動の影響などで地震や台風による豪雨が頻発しています。こうした自然災害時の通信インフラの復旧作業では、これまでの取り組みが活きた例もあります。
2018年に最大震度7を観測した北海道胆振東部地震では、広域・長時間の停電が発生しました。このときドコモでは、初めて大ゾーン基地局を運用、周辺基地局のアンテナの角度を変えて対応するなどして、被害を最小限に留め、復旧活動もスムーズに実施することができました。おかげさまで、災害後にはお客さまから「ドコモは災害にも強い」というお言葉をいただきました。
また昨年9月に九州地方を襲った令和2年台風10号での大規模な停電も記憶に新しいところです。このときは、台風の進路を踏まえ全国支社と連携し、復旧機材を九州に集めることで、迅速な復旧活動を実施することができました。これも日頃の備えや全国一体となったドコモグループの連携強化の成果だと思います。
ドコモでは、災害に強い通信設備の構築・運用に対するこだわりがあります。日々の訓練や備えを地道に重ねてきた成果が現れてきていると感じています。

04 これからの展望

大切な人の顔を思い浮かべながら、どこまでも災害への備えを繰り返していく

災害対策室では、通信システムに合わせたアップデートや新たな対策手段の導入も検討しています。昨今、通信の5G化などの高度化される環境に応じて、災害時における非常時回線(衛星回線など)の拡張をめざしています。また、保守拠点から駆け付けるまでに時間がかかる島しょ部などのエリアを救済するため、「船上基地局の拡充」や「有線ドローン中継基地局」といった新しい手段の運用も準備しています。
日々、強化している災害対策に終わりはなく、やり尽くしたということはありません。備えていても発災した後には足りないものがある。その備えの繰り返しこそが災害対策なのです。災害対策としてさまざまな施策を考えるにあたって、ときに優先順位をつけたり、実施を見送る判断をすることもあります。そうした施策を考えるときは、大切な人の顔を思い浮かべます。「家族を守るために、大事なことは何か?」。そう問いかけると、判断に悩むことは少なくなります。
お客さまのドコモのイメージは、どこよりもつながる。災害時でも、その「あたりまえ」を守りぬくのが私たちの使命です。究極の目標は、サービスの中断をなくすこと。どんなときでも「つながるあんしん」をめざしていきたいと思います。

※掲載内容は2020年12月時点のものになります

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